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料理とワインのイタリア語
イタリア各地のda mangiare!
カターニャ の パスタ・アッラ・ノルマ
トリノ の ビチェリン
シチリア の ブリオッシュ・コン・ジェラート
「イタリアおいしいカレンダー」
1月6日:エピファニーア(Epifania)
2月:カーニバル(Carnevale) ★NEW★
3月8日:女性の日(Festa della donna)
11月1日と2日:諸聖人の日(Ognissanti)と死者の日(Commemorazione dei defunti)
12月25日:クリスマス(Natale)

イタリア文化講座
「イタリア美術史」 早川伊太郎
バックナンバーは随時更新予定です。
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イタリアおいしいカレンダー
1月6日(Il sei gennaio):エピファニーア(Epifania)

12月から始まるイタリアのお祭りムードは、1月6日の エピファニーア(公現祭 Epifania) を迎えてようやく落ち着きを見せ始めます。

この日は、クリスマスに生まれたキリストの元へ東方の三博士が礼拝にきた日。イタリアでは、プレゼーピオ(キリスト生誕の場を模した人形)やツリーといったクリスマスの飾り物を片づけ始める日でもあり、私自身、エピファニーアの日に町のイルミネーションが取り外されて、「あぁ~楽しかったクリスマスが終わってしまう」と思ったのを今でも覚えています。

さて、イタリアでエピファニーアと言えば、何と言ってもイタリア版サンタクロースの「ベファーナ(Befana)」。ボロボロの服を着た魔女のようなおばあさんのことです。トナカイではなく空飛ぶほうきに乗ってやってきて、煙突から入って暖炉につるされた靴下にプレゼントを入れて帰ります。
よい子にはお菓子を、悪い子には炭を配ります。
La befana vien di notte...
photo by ho visto nina volare

ベファーナのお菓子は、手作りをする家庭も多いようです。定番は、ほうきや靴下、三角帽子の形のクッキー。お仕置きの炭は、もちろん本物を入れることはできないので、本物そっくりのお菓子の炭(Carbone dolce)で代用します。
【レシピ(イタリア語)】ベファーナのプレゼント 炭のお菓子

日本で公現祭の食べ物として有名なのは、フランスのガレット・デ・ロワ(仏:Gallette des Rois) ですね。紙の王冠をのせ、中にそら豆(もしくは人形)を一つ隠したパイ生地のケーキです。皆で切り分けて食べ、そら豆が当たった人は王冠をかぶって祝福を受けます。

フランス語の「ロワ(Rois)」は、イタリア語でいう「レ(Re)」。「王様」という意味もありますが、ここでは「東方の三博士(Re Magi)」を指します。というわけで、イタリアではこのお祭りのケーキを、「トルタ・デイ・レ・マージ(Torta dei re Magi)」と呼んでいます。

中にそら豆を入れて今年の福男を占うのは、フランスやイタリアのみならず、ヨーロッパ全体の風習。ゲーム感覚で楽しめるので、ぜひ来年は日本でもいかがでしょうか。

<1月のカレンダー>
1月1日 元旦(Capodanno)
1月6日 ご公現の祝日(Epifania)

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イタリアおいしいカレンダー
2月(febbraio):カーニバル(Carnevale)

皆さんがカーニバル(Carnevale)と聞いて思い出すのは、 ブラジルのリオのサンバカーニバル? それともやっぱり仮面をつけたヴェネツィアの仮装カーニバル?


ヴェネツィアのカーニバル。キオスクも大変身。あらら、街行くお姉さんも…。


ヴェネツィアのカーニバル2。ほんとにこんな人がウヨウヨで私びっくらしました。


カーニバルとは元々、 「復活祭前の断食期間(四旬節Quaresima)に入る前にたくさん飲み食いしておこう!」 というお祭り。 <carne「肉」+levare「取り除く」>、つまり「肉断ち」が語源と言われています。 (イスラム教で断食開けにお祝いをするのとは全く違う発想で、面白いですね) そのため、カーニバル料理には、 ラザニアや羊、揚げ菓子といったボリューミ―なもの、酒を使ったものが多くあります。 特に、よく食べられるのが、揚げ菓子。

仮面のカーニバルで有名な町、ヴェネツィアでは、 フリトレ(fri`tole)という揚げ菓子を食べます。 これは、小麦粉、卵、牛乳、砂糖にレーズン、松の実を入れて一口大にし、 揚げて粉砂糖をかけたもの。 カーニバル時期にヴェネツィアへ行かれる方はお忘れなく。

なんておいしそうなフリトレ。
Fritole!
photo byPaolo Valdemarin

ミラノのキャッケレ(chiacchere「おしゃべり」の意)も カーニバルのお菓子として有名ですね。 こちらは、薄い生地をパリッと揚げて粉糖をまぶしたもの。 これに似たお菓子はイタリア全土にあり、名前も様々。 その地域特有のリキュールで香りづけしたものもあるので、 ご自分のなじみの町ではどんなものを食べるのか調べてみてください。 ここでは有名なものを少しだけご紹介します。

 ロンバルディア州のラットゥーガ(lattuga、「レタス」の意)
 ピエモンテ州のブジーエ(bugie「嘘」の意)
 トスカーナ州のチェンチ(cneci「ぼろ切れ」の意)
 ラツィオ州のフラッペ(frappe 「服のひだ飾り」の意」)

昔は揚げ油も動物性と決まっていたそうですが、現在は若者のヘルシー志向もあり、 オーブンで焼くものも多いとか。

Giallo Zafferanoのキャッキェレのレシピ(動画・イタリア語)
サブタイトルはずばり、「Fritti VS Al forno(フライVSオーブン焼き)」。

ナポリではこのキャッケレを、サングイナッチョ(sanguinaccio)という チョコレートソースにつけて食べます。 名前に「血(sangue)」という単語が隠れていることからも分かるように、 これはなんと、豚の血を混ぜ込んだスパイス入りのチョコレートソース!! 現在は衛生上禁止されたため、市場に出回っているのは血無しのサングイナッチョですが、 家庭では今でも手作りするところがあるようです。すごいですね。

また、カーニバルにはドーナッツもよく食べます。 リング状のドーナッツはチャンベッラ(ciambella)、 穴が無くてぷっくり膨らんだものはボンボローネ(bombolone)です。 後者は、アルト・アディジェ州でドイツ語風にクラプフェン(Krapfen)と呼ばれています。オーストリア起源のお菓子というから、不思議な発音も納得ですね。

<2月のカレンダー> ※は毎年変わる移動祝日。
2月14日 バレンタインデー
2月26日(2017) カーニバル※
3月1日~4月13日(2017) 四旬節※

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イタリアおいしいカレンダー
3月8日(L’otto marzo):女性の日(Festa della donna)

3月8日は女性の日。女性の権利拡大を求める国際的な記念日です。イタリアでは、女性にミモザの花を送ります。黄色いポンポンをいくつもつけたかわいらしいミモザの花を、恋人だけでなく、母親や職場の仲間など、身近な女性に送ります。

満開のミモザ。
Mimosa
photo by daameriva

女性の日は国際的な記念日ですが、ミモザの花を贈るのはイタリア独自の習慣。第一次世界大戦後の暗いイタリアを明るくするイベントにしようと、1946年にU.E.D(イタリア女性連合)が季節の花ミモザをイメージフラワーとして定めたそう。荒廃した町を飾る、春らしくて安価なミモザは国中に受け入れられ、今ではすっかり3月8日にミモザを送る習慣が定着しました。

このミモザの花は残念ながら毒性があるので、料理の飾りには使えません。そこで考案されたのが、ミモザケーキ(Torta Mimosa)。スポンジとクリームで作った土台をミモザの花に見立て、表面に小角切りにしたスポンジを飾ります。初めて見る人は、ケーキの上にスポンジがのっていてかなりびっくりするかもしれませんね。

ミモザケーキ。スポンジが目を引きます。
Torta Mimosa
photo by Rowena

ミモザケーキを作る時は、2台のスポンジを焼きます。1つにはクリームをはさんで土台とし、もう1つはさいの目に切って、最後の飾りに使います。切った土台のスポンジにクリームをはさむのですが、この時にいろいろなのリキュール(オレンジが多いようです)を使ったり、季節の果物を挟んだりすると、いろいろなアレンジを楽しむことができます。土台は、水平に切って重ねる円柱形もあれば、ボンブ型を使ってドーム型に重ねるタイプもあります。
ミモザケーキの作り方を動画で見たい方はこちら(giallo zafferanoのサイトへ、イタリア語)

さあ、土台を組み立てたら、表面にもクリームを塗り、さいの目に切ったスポンジをまぶして出来上がり。ふわふわクリーミーなケーキが、テーブルに春を運んでくれます。


  <3月のカレンダー> ※は毎年変わる移動祝日。
3月8日 女性の日
3月19日サン・ジュゼッペ(聖ヨゼフ)の日、父の日(Festa del papa`)
3月29日(※2015年) サマータイム(l’ora legale estiva)開始

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イタリアおいしいカレンダー
11月(Novembre)1日 諸聖人の祝日(Ognissanti)、2日 死者の日(Commemorazione dei defunti)

日本はハロウィンで盛り上がっていますね。イタリアにとってもハロウィンは外国のお祭り。けれども日本同様、近年は、コスプレにお菓子集めにと盛り上がっているようです。ネットには骨や魔女の指に見立てたこわ~いお菓子が続々とアップされています。

【動画】「魔女の指クッキー」の作り方
演出まで怖い!(でもちょっとかわいい……)

斬新なデザインですが、作り方はシンプルなので、今年はこんなお菓子でハロウィンパーティをするのもいいですね。

さて、この時期のイタリアならではの行事と言えば、ハロウィンの翌日11月1日に祝う「諸聖人の日(Ognissanti)」と11月2日の「死者の日(Commemorazione dei defunti)」ではないでしょうか。

イタリアなどのカトリック文化圏には、毎日「その日の聖人」がいて、自分と同じ名前の聖人の日をお祝いするオノマスティコ(Onomastico)という習慣があります。

11月1日は、すべての聖人をお祝いする日。つまり、いろんな人にとっておめでたい祝日です。その翌日は死者の日とされていて、死んだ人がこの世に帰ってくると言われています。日本のお盆みたいなもので、この日も祝日。お墓参りに行く習慣があります。

この2日間は、祝日でお休み。広場に市場や遊園地が出る町も多いです。私が住んでいたペルージャでも郊外に市場が出ていました。その名もびっくり、「死者の市場(Fiera dei morti)」!

【写真】ペルージャの「死者の市場」
名前は怖いですが、秋の味覚やキッチン雑貨、アンティークの並ぶ楽しい市場です。    


この時期、いろいろな町のパスティッチェリーア(お菓子屋さん)に並ぶのがFave dei morti(ファーヴェ・デイ・モルティ:死者のソラマメ)というお菓子。地域ごとにかなりバリエーションがあるのですが、ソラマメ型のアーモンドクッキーです。

【写真】ベルガモ・アルタのお菓子屋さん、11月のショーウィンドウ
左下の小判型のクッキーが「死者のソラマメ」。その上にはpane dei morti(パーネ・デイ・モルティ:死者のパン)も並んでいます。手前のお花は菊でしょうか。イタリアでも菊はお墓参りの花です。
Bergamo. Fave dei morti
photo by Luciano

【レシピ(イタリア語)】:ローマ観光公式サイト「11月の伝統菓子:死者のソラマメ」


今年はハロウィンのお菓子に、イタリアならではのホラークッキーや死者の日クッキーを混ぜてみるのも面白いですね。

<11月のカレンダー>
11月1日 諸聖人の日(Ognissanti)
11月2日 死者の日(Commemorazione dei defunti)
そういえば、ワインやオリーブオイルの新物「ノヴェッロ」が出回るのもこの時期ですね。実りの秋です。

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イタリアおいしいカレンダー
12月25日:クリスマス(Natale)

イタリアのクリスマス菓子と言えば、パネットーネ(Panettone)とパンドーロ(Pandoro)。

パネットーネはミラノ発祥。干しブドウやオレンジピールなどドライフルーツが入った円筒型のケーキ。
Nicol-Ettone 2011 edition - IMG_2261
photo by N i c o l a

一方のパンドーロは、ヴェローナ発祥のきめ細やかなケーキ。ドライフルーツは入らず、プレーンなものが一般的。パネットーネに似たドーム状ですが、真上から見ると星形になっています。
Ho sempre amato il periodo natalizio...
photo by Emiliano

シンプルでポピュラーお菓子なだけに、オリジナルの食べ方もたくさん。イタリア人に「これ、どうやって食べるの?」と聞くと、様々な答えが返ってきます。今回はそんな「パネットーネ/パンドーロにまつわる小ネタ」をいくつかご紹介。

1.パンドーロの粉砂糖をまんべんなくまぶすには?
パンドーロにはきれいにまんべんなく粉砂糖がかかっていますよね。実際、箱入りのパンドーロを買うと、袋に入った粉砂糖が付いています。この砂糖をまんべんなくまぶすには、ビニール袋にパンドーロと粉砂糖を入れ、ビニールの口をふさいでふりふりシェイクするのが一番。一見乱暴ですが、とってもきれいにまぶせます。

2.パンドーロを水平にカットしてクリスマスツリーに
パンドーロを水平にカットすると、星形のスライスが出来上がります。これを少しずつずらして重ねると……、まるでクリスマスツリーのよう!上から粉砂糖をまぶすと雪がかかったようで、これもまた素敵です。サンタの人形を添えると、まるで絵本の一場面みたいです。

panettone
photo by Peter Visser

3.パネットーネの添え物いろいろ
スライスしたパネットーネにクリームを添えることも多いです。ザバイオーネ(卵黄とマルサラ酒などのリキュール、砂糖で作ったクリーム)やマスカルポーネクリームがメジャーですが、生クリーム、ジェラートも相性抜群。飲み物では、アスティなどの甘口ワインやアマレットなどのリキュールがよく合います。

ティラミス、パッシート、エスプレッソと。
Tiramisu
photo by franzconde

4.ほかほかパネットーネ
パネットーネは、あたためて食べてもおいしいです。あたたかくなったドライフルーツは、甘味が増してまた格別。でも大きなパネットーネを上手に温めるのは難しいですよね。カットしてトースターもいいですが、大勢で切り分けたいときにはどうすればよいでしょう?
私のいた語学学校では、先生のススメにより授業中にオイルヒーターで温めておき、放課後にみんなで分けて食べました。クリスマスを過ぎて安売りになったパネットーネも、おいしく食べられる方法とのこと 笑。 オイルヒーターをお持ちの方はぜひやってみてください。

5.クリスマスもヌテッラサンドでいただきます
最後に、イタリアと言えばヌテッラ!パネットーネやパンドーロも、薄くスライスしてヌテッラを挟んでいただきます!再構築して元の形に戻してもいいのですが、「重たすぎる!」という方は、オープンサンドのようにヌテッラを塗るのはいかがでしょうか。イタリア式の甘い朝ごはんにもぴったりです。熱々のカフェラテを添えてどうぞ。

日本でもかんたんに買えるようになってきたパネットーネやパンドーロ。今年は自分なりのアレンジで食べるのもいいですね。

Buon Natale a tutti!
A Ceiling of Panettone
photo byDanielle Scott

<12月のカレンダー>

12月8日 聖母無原罪の御宿リの日(Immacolata Concezione)
12月25日 クリスマス(Natale)
12月26日 聖ステファノの日(Santo Stefano)


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イタリア各地のda mangiare! ーカターニャのパスタ・アッラ・ノルマー

留学先ペルージャの寒さから逃れるため、真冬にシチリアを旅したことがあります。

シチリアの玄関口メッシーナからモディカを目指し、東海岸沿いを南下する途中で何度も目にしたのが「パスタ・アッラ・ノルマ(Pasta alla Norma)」という料理。初めて聞く名前だけど、当然のように、メニューには説明がありません。聞けば、素揚げしたナスを加えたトマトソースのパスタで、すりおろしたリコッタ・サラータをかけて食べるものだとか。

ペンネで作ればペンネ・アッラ・ノルマ。
penne alla norma
photo by franzconde

ひとくち食べると……、おいしい!今まで食べたナスのパスタの中で一番おいしい。わぁー、さすがナスの島シチリア! でも語学マニアの私には疑問がひとつ。「ノルマって何? 『ノルマ達成』の『ノルマ』? だとしたら、どうしてNが大文字?」

実はこの料理名、「ノルマ(Norma)」というオペラ作品からきています。ローマ時代のガリアを舞台に、ノルマという娘の愛を描いた作品です。オペラ「ノルマ」はカターニャ出身の作曲家ベッリーニの代表作で、この偉大なる作曲家を誇りに思うカターニャ人は、素晴らしいものを称して「pari ‘na Norma.(標準語に訳すと”sembra una Norma=これはノルマ(のような傑作)ですよ!)という意味”」という習慣があったそう。パスタ・アッラ・ノルマは「我らがベッリーニの傑作のように素晴らしいパスタ」という意味のカターニャ名物料理だったのです。

ナスは、南イタリアを代表する食材のひとつ。シチリアでは一年中手に入り、真冬でも食べられます。シチリアを代表する様々な料理に用いられ、カポナータやパルミジャーナ、インボルティーニなどに登場します。それにしても、私は揚げたナスが好きで好きでたまらなりません。ヘルシー志向の日本のレシピには揚げないパスタ・アッラ・ノルマもあるけれど、油を吸ったトロトロのなすは格別の美味しさ。次の一食を抜いてでも、パスタ・アッラ・ノルマのナスは揚げて食べたいと思います。

この料理のもう一つのポイントは、リコッタ・サラータ。これもまた南イタリアを代表する食材のひとつ。塩漬けにしたリコッタチーズを熟成させたもので、パスタ・アッラ・ノルマには欠かせません。シチリアではありふれた食材だけれど、日本ではなかなか手に入らないのが残念な所。でもそういう食材も旅のお楽しみですよね。

地中海の恵みたっぷりの一皿。シチリアのゴマ付きパンと一緒にご賞味あれ。


雪をかぶったエトナ山。手前のサボテンもシチリアならでは。

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イタリア各地のda mangiare! ートリノのビチェリンー

「ビチェリン(Bicerin)」は、熱々のエスプレッソ、ホットチョコレート、ミルクでできた飲み物。アメリカ生まれの「カフェ・モカ」との違いは、なんといってもチョコレートが濃厚なこと。そして、必ずガラスのグラスに入れること。グラスにできた3層の美しさを愛でながらいただきます。「混ぜずに飲むこと!」がポイントです。

Bicerin at Cafe Torino
photo by Marit & Toomas Hinnosaar

トリノは現在、ピエモンテ州の州都。以前はイタリア統一運動の中心、サルデーニャ王国の首都で、多くの著名人・文化人が訪れました。ビチェリンも、「三銃士」のアレキサンドル・デュマや、20世紀の文豪ヘミングウェイの著書に登場しています。さらに、王国の支配地域がピエモンテやサルデーニャに加えて現在の南仏にまで及んだことから、トリノにはフランス風のカフェ文化、サロン文化が根付きました。現在でも、立ち飲み式のバールではなく、クラシカルな内装の中、住民が熱弁をふるう滞在型のカフェが多く存在します。

数ある老舗カフェの中でもぜひ訪れていただきたいのが、ビチェリン発祥とされる「アル・ビチェリン」。イタリアの初代首相カブールや、オペラ作曲家のプッチーニも足を運んだ名店です。なんと1763年創業。イタリア統一が1861年なので、イタリアという国よりも100年ほど長い歴史を持つカフェということになります。
アル・ビチェリンのホームページ(イタリア語)

そのほかにも、イタリア政府観光局がトリノの老舗カフェを紹介しているので、トリノへ行かれる方は要チェックです。
イタリア政府観光局のトリノ紹介ページ

次回は、ビチェリンの語源と、その前身となった飲み物についてご紹介します。ビチェリンの語源は、皆さんも考えてみてくださいね。少しイタリア語をかじっている方ならご存知の、あの単語が元になっています。お楽しみに!

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前回は、トリノの名物ビチェリン(エスプレッソ+濃厚ホットチョコレート+ミルクをグラスで飲む飲み物)と、バールとは一味違うトリノのカフェ文化についてご紹介しました。

さて、今回はこのビチェリンという言葉についてです。なんだかイタリア語らしくない言葉ですね。これは、イタリア語のbicchierino「小さなグラス」(=bicchiere「グラス」+-ino「小さな」)をピエモンテ方言で呼んだもの。ん?小さなグラス……?一体何に対して「小さい」のでしょうか?

実は、このビチェリンには、前身となる飲み物「バヴァレイザ(Bavareisa)」が存在します。バヴァレイザはビチェリンと違い、コーヒーとホットチョコレートを混ぜておくこと(したがって3層ではなく2層になること)、さらにはグラスが大きいことがポイントでした。これに対して小さなグラスで出されるようになったのが、ビチェリンなんですね(現在はビチェリンも進化し大きなグラスで出されるものがあります)。


筆者がトリノで飲んだビチェリン。バヴァレイザに似てます。

バヴァレイザの作り方を紹介する動画 Giallo Zafferanoより(イタリア語)

動画にも出てくる通り、トリノはイタリアNo.1のロースター「ラバッツァ」を抱える町。

そしてトリノはチョコレートでも有名。ヘーゼルナッツのチョコレートジャンドゥイオッティは皆さんもご存知でしょう。毎年11月と12月にはチョコレートのフェスティバルCioccla To`も開催されます。
Cioccola To`の2015年のホームページ(イタリア語)

エスプレッソとチョコレート。トリノを訪れたら、この2つの名物が織りなす歴史ある味を、老舗のカフェで楽しんでください。


チョコレートフェスティバル中のトリノの街中。

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イタリア各地のda mangiare! ーシチリアのブリオッシュ・コン・ジェラートー

イタリアにはなんとジェラートをパンにはさむ地域があります。シチリア(Sicilia)です。ブリオッシュ・コン・ジェラート(brioche con gelato:ジェラートをサンドしたブリオッシュ)と呼ばれています。

Brioche gelato
photo by Tavallai

ブリオッシュとは、水の代わりに牛乳を加え、バターと卵を使った甘めのパンのこと。イタリア全土で朝食に食べられます。イタリア北部ではクロワッサンを指すこともありますが、南部、特にシチリアでは、クロワッサンはもっぱらcornetto「コルネット」と呼ばれて区別されます。クロワッサンとは異なり、雪だるま型か円盤型が一般的な、しっとりとしたパン。照りのある表面と丸い形が愛らしいです。それに側面から切れ目を入れてジェラートをはさんだのが、この一品。

ブリオッシュ・コン・ジェラートに使うのは、ジェラートにせよブリオッシュにせよ特別なものではないのですが、シチリア料理と言うだけあって、とにかく大きいのが特徴。大きなブリオッシュにジェラートをたっぷり3種類はさんだりするのだから、その大きさといったら、日本のハンバーガー3個分は優にあるのではないでしょうか。そこに生クリーム(panna)を追加することも。

町に目を向けると、皆なんとも気持ちのいい食べっぷり。理由はわかる気がします。照りつける地中海の太陽の下、ふかふかのパンに挟まった冷たいジェラートを食べると、体の底から元気が湧いてくるのです。

シチリアには、ジェラートではなくもう一つの名物グラニータ(granita)にブリオッシュを添える習慣もあります。グラニータとは、柔らかくしたシャーベットのようなもので、かき氷とシェイクの中間くらいの食感。レモン(limone)や、アーモンド(mandorla)、桑の実(gelso)やジャスミンの花(fiori di gelsomina)といったシチリアらしい味があります。ブリオッシュをつけると、パン生地が冷たい果汁をすってとてもおいしくなります。シチリアでは、夏の定番朝ごはんです。

けれどもこのブリオッシュ・コン・ジェラート、イタリア全国どこにでもある材料なのに、なぜかシチリア以外ではあまり売られていません。ローマで注文を試みた友人には、カップに入ったジェラートとクロワッサンが手渡されました(笑)

今年の夏、シチリア旅行を計画されている方は、一食抜いてでもぜひ食べていただきたい。それくらいのおいしさとボリュームです。

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